KIRIHARA Online Academyではほぼすべてのコースで音読を取り入れています。今回はその音読の効果について説明させていただきます。
私たちは無意識にいつも「音読」をしている?
音読というのは脳の仕組みを活用できる学習方法なんですね。
なぜなら、実際私たちは無意識に脳内で音読を行っているからです。
試しにご自身の電話番号を「日本語」で言ってみてください。
これは簡単ですよね?
それでは、今度は同じ電話番号を「英語で」、しかも「同じスピードで」言ってみてください。
すごく難しいですよね?
日本語で言えたスピードで、英語で言うことができない。
でも、考えてみてください。
「zero one two three four five…」誰でも知っている単語のはずですが、なぜすぐに言えないのでしょうか。
それは、私たちは電話番号を「数字」で覚えているわけではないからです。
「音」で覚えているのです。
電話番号を覚えるときに、誰しも「音読」をしているはずです。
実際に声に出したかはわかりませんが、頭の中で声に出していたと思います。
例えば、掛け算の九九はどうでしょうか?
「7×7=49」と言うとき、私たちは頭の中で計算をしているわけではなく、音で「しちしちしじゅうく」と言葉にしているだけですよね。
なぜこんなに速く計算のようなことができているかというと、小学生のときに散々九九を繰り返し唱えた音の記憶がいまだに残っているからです。
もしかしたら小学校の校歌をまだ歌える人もいるかもしれません。
何十年も前に覚えた歌がスムーズに思い出せるのかといえば、これも繰り返し声に出していたからですよね。
このように私たちは無意識ではありますが「音」を使って「情報を頭の中に入れている」んです。
これは言語も一緒です。
音読をすれば、電話番号や掛け算九九のように、あるいは歌を覚えるように、英語をしっかりと身につけることができるようになります。
音読で身につく3種類のスキル
音読をすることで、3種類のスキルが習得できます。
- 「単語と文法」
- 「発音とリズム」
- 「表現と構文」
「単語と文法」
まずは「単語と文法」の習得です。
実は単語が二つ並ぶだけでそこには文法が生まれます。
”beautiful flower”というと、そこには形容詞+動詞という文法が発生していますが、音読をすることによって、”beautiful flower”というフレーズを文法ではなく音で覚えることができます。
また、例えば”Thank you very much.”というフレーズ。
Thankは「感謝する」という意味でyouはその目的語です。
veryは形容詞や副詞を説明する副詞、muchはThankを説明する副詞……、こんなふうに文法で説明することもできますけれども、そんなことを考えていたら実際に声に出すのにすごく時間がかかりますよね。
しかし実際にはほとんどの人が”Thank you very much.”をとっさに言うことができます。
これもすでに音でインプットされているからです。
ちなみにveryとmuchはどちらも副詞ですが、これを文法で覚えていたら両方とも同じ機能の単語なので、順番が逆になってしまう可能性もありますよね。
例えば”Thank you much very.”というふうに。
だけど皆さんたぶん一度も間違えたことはないと思います。
これも音で覚えているからです。
あるいは”fried chicken”。
直訳すれば「揚げられた鶏肉」ですね。
このfriedというのは文法上は「分詞」と言って、苦手な方も多いと思います。
でも”fried chicken”を言い間違えて”flying chicken”なんて言ってしまったことは?
ないですよね。なぜかというと「フライドチキン」という音が頭の中に入っているからです。
「発音とリズム」
二つ目は「発音とリズム」の習得です。
例えば”let it go”を読んでみてください。正しい発音・リズムで言えるでしょうか?
恐らく「あの歌」を知っている方は言えますよね。
知らなかったら「レット・イット・ゴー」と読むかもしれませんけれども、「あの歌」を知っていたら「レリゴウ」というようにネイティブのような発音になると思います。
これも音で覚えているからです。
あるいは”shut up”。これは「黙れ」という乱暴な表現なので普段は使わない熟語ですけれど、恐らく誰もが知っている表現だと思います。
「シャット・アップ」ではないですよね。
あなたがインプットしたときどういうふうに覚えたかというと、「シャラップ」と覚えたと思います。
アクション映画を字幕なしで観ていても「シャラップ」と聞こえてきたら、英語のまま言葉の意味を理解できるはずです。
音で覚えれば正しい発音、正しいリズム、正しいアクセントで話せるようになります。
そうなれば文字と音のギャップというものがなくなり、「読めばわかるけど聞くとわからなくなる」というような悩みも解消できます。
「表現と構文」
三つ目が「表現と構文」の習得です。
”Thank you for coming today.(お越しいただきありがとうございます)”というような表現。
何回も口に出していると、こういった少し長い表現もスムーズに言えるようになります。
”If you have any questions, please ask me.(質問がある場合は聞いてください)”。
なんてことはない表現ですが、文法的に言うとifが接続詞で、you haveは主語と動詞、目的語にany questionsとありますが、そんなことを考えなくても音で覚えれば話すことができますよね。
そうすると応用が利くようになります。
例えば「もし時間があったら」と言いたいときにはどうすればいいでしょうか。
”if you have time”と言えますよね。このようにして表現力が増えていくわけです。
それから”Would you mind opening the window?”は「窓を開けていただけませんか」という丁寧な表現です。
ここで「mindの後に来る動詞が動名詞になる」というようなルールを知らなくても、この表現を知ってさえいれば「ほかの動詞でも名詞化するのかな」と予想が付きますよね。
このように何度も声に出して、その後で、もしくは同時に文法を学べば、より早く正確な英文を身につけることができます。
ぜひ普段の学習に音読を取り入れてみてください。
ライティング、リーディングにも効果的な音読
音読はライティングやリーディングにも役立ちます。
「いやいや、ライティング、リーディングには音がないでしょ」と思うこともあるかもしれません。
でも、文章を読むとき頭の中でその文を音声化していませんか?
音声化して読んでいるということは「発音とリズム」の要素が入っているということですよね。
例えばうまく発音できない単語が現れたら、そこで読解の流れが止まってしまいますよね。
しかしうまく発音できればスムーズに読み進めることができます。
”Thank you very much.”と読むときほとんどの人が流れるように読めるはずですが、それは音声化ができているからですよね。
ライティングでも同じように、文章を書くときには頭の中で音声化しながら書きますから、音読はすべてにおいて有効なんです。
4技能すべてに役立つ音読
リスニングというのは誰かがしたスピーキングを聞き取るということです。
つまり話し手の視点か聞き手の視点かの違いがあるだけで、内容としてはこの二つはある意味同じだと言えます。
同様に私たちがリーディングをするとき、誰かがライティングしたものを読んでいるわけですよね。
読んだもの(リーディング)を声に出せばそれはスピーキングですし、書いたもの(ライティング)を誰かに読んでもらったら今度はリスニングになります。
4技能すべてはつながっていて、そのすべてに共通するスキルを身につけられるのが音読なんです。
KIRIHARA Online Academyのレッスンでは音読の効果を取り入れています
KIRIHARA Online Academyのコースでは、私の監修のもと、音読の効果を取り入れたカリキュラムを作っています。
実際に使用する教材「TOEIC® L&Rテスト書き込みドリル」でも学習の効果を高める方法として音読を推奨していますし、自己学習用の「DataBase TOEIC® L&Rテスト最強単語&フレーズ」でも単語と音声と一緒に英文の音読が出来る構成で作成しました。
TOEICをはじめとする、あらゆる資格試験対策において、音読は有効です。
最初は上手くいかないこともあるかもしれませんが、九九や校歌を覚えたときのように、何回も声に出していたらだんだんと上達します。
そして上手くなっている自分に出会えればモチベーションも上がりますので、ぜひ楽しみながら音読をしてほしいと思います。
そして、もし音読を取り入れた効果的なTOEICの学習方法にご興味がある方はぜひKIRIHARA Online Academyを体験してみてください。
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