1. 受験前に知っておきたい注意点――当日の流れは意外と忙しい!?
今回、TOEFL iBT改訂版を受験した経験をもとに、感想や注意すべき点を書かせていただきました。これから受験される方の参考になれば幸いです。
まず受験にあたり、試験そのものだけでなく、当日の運営や手続きにも注意すべき点がありましたので、初受験の人はぜひ確認してください。
会場に到着した後は、待合室での待機から始まります。会場によって違いがあるかもしれませんが、私の会場では受験番号ごとに待機する部屋が分かれていました。自分がどの部屋に入るのかをすぐに確認できるように、受験番号は手元ですぐ確認できる状態にしておくと安心です。紙の受験票は送付されないため、スマートフォンでメールをチェックするか、マイページにログインするのがよいと思います。
待合室で待機している間にトイレへ行くことは可能ですが、トイレに行っている間に呼ばれてしまう可能性もあります。呼び出しに応じられないと、試験の開始が遅れたり、焦ってしまったりしかねないので、できるだけ会場に入る前に済ませておくことをおすすめします。
持ち物については、顔写真付きの身分証明書が必須です(有効な身分証の種類は必ず公式サイトで事前に確認してください)。また、入室前のチェックはかなり厳重で、ポケットの中身やズボンの裾などすべて確認され、メガネも細かくチェックされます(私は後ろのポケットにハンカチが入っていたのを指摘されてしまいました…)。さらに金属探知機による検査もあり、セキュリティはかなり徹底されています。
チェックが終わった人から順に試験室へ案内され、その場でテストを開始します。つまり、全員が同時にスタートするわけではなく、テスト開始時刻は人によって異なるという点も、この試験ならではの特徴です。

2. 【リーディング】新形式の問題とアダプティブ方式
リーディングでは、従来のアカデミックな文章に加えて、新形式の問題も出題されました。新形式の概要は以下のとおりです。
新形式リーディング
●設問数:50問(採点されないダミー問題も含む)
●試験時間(目安):30分
●タスク
- Complete the Words:約70~100語の文章の途中で空所となっている単語を補う。空所には、頭文字(または数文字)をヒントにして、続きを書く。
- Read in Daily Life:日常生活で見られる15~150語程度の文章を読み、適切な選択肢を選ぶ。
- Read an Academic Passage:200語程度のアカデミックな文章を読み、適切な選択肢を選ぶ。
出典:https://www.toefl-ibt.jp/test_takers/toefl_ibt/advantages.html
「Complete the Words(=文章中の空所に入る単語を書く)」「Read in Daily Life(=お知らせやチラシなど日常的な文章を読み、問いに答える)」が新しい形式の問題です。「Read in Daily Life」は、共通テストにも似た文章が出題されるため、それほど戸惑うことはないと思います。一方、「Complete the Words」は、思いつかないと時間を浪費してしまいがちなので、少し考えてわからなければ先に進んだほうがよいでしょう。
最後の「Read an Academic Passage」は、改訂前と同様、アカデミックな文章が出題されます。ただし、文章の長さは短くなり、「要約問題」(Prose Summary Question)も無くなったため、個人的には解きやすくなったと感じました。
新形式では、リーディングとリスニングにおいて受験者の能力に応じて出題内容が変化する「アダプティブ方式(Multistage Adaptive Test)」が導入されています。すなわち、「モジュール1」「モジュール2」の2段階に分かれ、前半のモジュール1の20問の正答率に応じてモジュール2は自動で振り分けられます。モジュール1の正答率が高いとモジュール2がUpper(難易度高め)となり、「Complete the Words」「Read an Academic Passage」から計15問出題、正答率が低いとLower(難易度低め)となり、「Complete the Words」「Read in Daily Life」から計15問出題されます。
同じモジュール内であれば、前の問題に戻って解き直すことができます。ただし、モジュール2に移動した後は、モジュール1に戻ることはできないので注意しましょう。
3. 【リスニング】問題数増加――集中力の持続がカギ
リスニングでは、改訂前と同様にA4用紙数枚と鉛筆が貸し出されるので、メモを取りながら取り組むことができます。また、リーディングと同様、Module 1とModule 2で構成されています。新形式の概要は以下のとおりです。
新形式リスニング
●設問数:47問(採点されないダミー問題も含む)
●試験時間(目安):29分
●タスク
- Listen and Choose a Response (音声を聞いて応答を選ぶ)
- Listen to a Conversation (会話を聞く)
- Listen to an Announcement (アナウンスを聞く)
- Listen to an Academic Talk (アカデミックな講義を聞く)
出典:https://www.toefl-ibt.jp/test_takers/toefl_ibt/advantages.html
他の多くの試験との最大の違いは、選択肢の先読みができない点だと思います。また、メモをとることに集中して理解がおろそかにならないように注意しましょう。
前半は一般的な会話やアナウンスなどTOEIC®と似ているリスニング問題が多い印象でした。難問は少なかった印象ですが、最後まで漏らさずに聞くことが重要です。設問の先読みができないため、ボーっと聞き流していた部分や最後に言った一言が設問に関連することがあります。
最後のListen to an Academic Talkは、TOEFL特有のアカデミックな講義を聞く問題ですが、改訂前に比べて短くなりました。しかし、受験した際はなじみのない話題だったこともあり、自信がないまま答えた問題もあり、簡単になったとは言えない印象です。
リーディングと同様、リスニングも「モジュール1」「モジュール2」の2段階に分かれます。モジュール1の正答率が高いとモジュール2がUpper(難易度高め)となり、「Listen and Choose a Response」「Listen to a Conversation」「Listen to an Announcement」から計15問出題、正答率が低いとLower(難易度低め)となり、「Listen and Choose a Response」「Listen to a Conversation」「Listen to an Academic Talk」から計15問出題されます。
なお、リーディングと異なり、リスニングは同じモジュール内であっても前の問題に戻ることはできないため気をつけましょう。また、1問ごとに制限時間が設定されており、時間が経過すると自動的に次の問題に進んでしまうため、わからない問題があっても気持ちを切り替えて一定のリズムで解いていきましょう。
4. 【ライティング】時間との闘い! キーボードも要チェック!
新形式のライティングは、3つのタスクに分かれています。概要は以下のとおりです。
〈新形式ライティング〉
●設問数:12問
●試験時間:23分
●タスク
- Build a Sentence (10問):語や句を並べ替えて文法的に正しい文を作り、会話の流れに合った適切な返答を作成する。
- Write an Email (1問):与えられた設定に応じて相手に必要なことを伝えるためのEメールを書く。
- Academic Discussion task (1問):オンライン授業のような設定のもと、教授が与えるテーマについて2人の学生の意見を読み、自分の意見を100語以上で書く。
出典:https://www.toefl-ibt.jp/test_takers/toefl_ibt/advantages.html
それぞれのタスクに制限時間が設定されているため、「どのタスクにどのくらいの時間を割くか」といった時間配分を考える必要はありません。これはメリットと考えることもできますが、最初のタスクで時間が余っても先に進んで、次のタスクに時間を多く割くということはできません。
受験した際には、「Build a Sentence」は比較的時間が余り、見直しの時間も取れましたが、中には難問も含まれていました。時間的余裕が無いので、少し考えてわからなければ先に進んだほうがよいでしょう。
「Build a Sentence」は、大学入試でも定番の「語句整序問題」です。なじみがある人が多いと思いますが、パソコンのため紙のようにメモを書き込めない点や、使用しない選択肢が含まれる問題があるため、慣れていないと時間がかかるかもしれません。
「Write an Email」は、与えられた設定を読み、書く内容を考え、実際に書く時間をすべて合わせて7分しかないため、かなりタイトです。また、キーボードがUSキーボード(英語配列キーボード)のため、日本で使用されているものと位置が異なります。ブースのところに説明の紙が貼ってありますが、受験前にチェックしておくと戸惑わずに済むと思います。私の場合、アポストロフィの位置がわからず、試験中に確認しました(日本のキーボードでは、コロンのキーだったと思います)。
最後の「Write for an Academic Discussion」は改訂前の形式と同じです。教授が与えるテーマについて2人の学生の意見を読み、書く内容を考え、実際に書く時間をすべて合わせて10分しかないため、こちらも時間がタイトな問題だと思います。
「Write an Email」と「Write for an Academic Discussion」に関しては、模擬問題を通じて、実際に書いてみることが重要です。慣れてくると体感として、どの程度書き終えていなければならないかコツが掴めてくると思います。

5. 【スピーキング】難易度アップ? 新形式スピーキング
新形式のスピーキングは、完全に新タスクのみとなり、「Listen and Repeat」と「Take an Interview」で構成されています。概要は以下のとおりです。
〈新形式スピーキング〉
●設問数:11問
●試験時間:8分
●タスク
- Listen and Repeat (7問):表示された絵に関する説明が、7つの文に分かれて1文ずつ読まれるので、受験者は各文が読まれたあと、8-12秒の間に聞いたものをそのまま繰り返す。
- Take an Interview (4問):インタビュアーの話のトピックに関連した4つの質問に答え、自分の経験や意見について話す。各質問に対して回答時間は45秒以内。内容は奨学金への応募や調査研究への参加など、さまざまな場面を想定。
出典:https://www.toefl-ibt.jp/test_takers/toefl_ibt/advantages.html
「Listen and Repeat」は、聞こえた内容をそのままリピートしなければならず、高い集中力が要求されます。最初は短いので簡単なのですが、最後の問題はかなり長く大変でした。また、問題文を聞いた直後に数秒の間があり、この間に聞いた内容を忘れないように気をつけましょう。
メモをとることはできますが、話すスピードがかなり速いため、全文をメモすることはほぼ不可能ですし、リスニングが疎かになってしまうリスクもあるので、得策と言えるかどうかは微妙なところだと思います。リスニングに集中したほうがよいという人もいるかもしれません。
「Take an Interview」では、画面上の人に向かって話しかけるように答えます。オンライン英会話に慣れている人であれば、違和感なく取り組めるのではないかと思います。改訂前の「Independent Speaking」に似ており、個人的な内容から社会的な問題にまで質問されますが、「Independent Speaking」と異なり解答の準備時間がありません。話しながら次に話す内容を考えることができればベストですが、かなり難しいと思います。また、45秒間話し続けてきりよく話をまとめる必要があり、練習が不可欠だと思いました。。
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