英検対策

英検準1級に英文法対策は必要?|合格に必要な重要項目と4技能を伸ばす勉強法

「英検準1級には文法の独立問題がないから、文法対策はしなくていい?」
「長文を読んでいると、関係代名詞や修飾関係が複雑で一文の意味が正確に取れなくなる」
「ライティング(意見論述・要約)でいつも似たような幼稚な文構造ばかり書いてしまう」

英検準1級の受験を控えている方からよくいただくのが、「英文法の対策は本当に必要なのか」という疑問です。確かに、TOEICや大学入学共通テストのように文法知識を直接問う独立した穴埋め問題はありません。しかし、結論からお伝えすると、英文法の理解なしに英検準1級に合格するのは極めて困難です。

長文を速く正確に読む、減点されない論理的な英作文を書く、音声の展開を瞬時に追う、面接で正確に発話する――これら「4技能すべての土台」となるのが、高校卒業〜大学中級レベルの確かな英文法力だからです。

この記事では、英検準1級合格に向けて英文法対策が必要な理由、必ず押さえるべき重要文法項目、4技能に直結する効率的な文法の勉強法について詳しく解説します。

1. 英検準1級に「英文法対策」が必要な理由

英検準1級には文法問題のパートが存在しないにもかかわらず、なぜ多くの指導者が文法力を重視するのでしょうか。それは、文法力が以下の4技能すべてに直結しているからです。

リーディング:難解な長文の「返り読み」を防ぐ

準1級の長文読解(大問2・大問3)では、1文の中に複数の関係代名詞や分詞、挿入句が含まれ、3〜4行にわたる長い一文が頻出します。文法力が不足していると、英文を頭からスムーズに理解できず、何度も行き来する「返り読み」をしてしまい、時間が足りなくなります。

ライティング:減点を防ぎ、「表現の多様性」で加点を狙う

ライティング(英文要約・意見論述)の採点観点には、明確に「文法」が存在します。時制の不一致や名詞の単複ミス、不自然な文構造はすべて減点対象です。また、高得点を獲得するためには、同じ構文(I think...Because... など)を繰り返すのではなく、多様な文構造を使い分ける「表現の多様性(バラエティ)」を示す必要があります。

リスニング&面接:瞬時に英文を処理・構築する

リスニングや二次試験の面接では、聞こえてきた英語の構造を瞬時に判断し、自分の言いたいことを瞬時に組み立てて発話しなければなりません。頭の中で論理的な文法フィルターが機能していることで、会話や質問に詰まることなく対応できるようになります。

2. 英検準1級合格のために押さえるべき重要英文法5選

英検準1級で特に差がつく、あるいは読解・記述で非常によく使う重要な英文法項目を5つ紹介します。

① 分詞構文(Participle Construction)

長文読解で頻出するだけでなく、ライティングでも「2つの文を1つにまとめて簡潔にする」ために重宝します。

  • : Seeing the decline in sales, the company decided to change its strategy.
    (売上の減少を見て、その会社は戦略を変更することを決めた。)

② 前置詞 + 関係代名詞(Preposition + Relative Pronoun)

関係代名詞の前に前置詞が置かれる構造です。修飾関係が複雑になりがちなため、返り読みせずに「どの名詞にかかっているか」を見抜く力が長文読解で求められます。

  • : The project in which they invested heavily has turned out to be a success.
    (彼らが多額の投資を行ったプロジェクトは、結果的に成功となった。)

③ 倒置構文(Inversion)

否定を表す副詞(Never, Rarely, Seldom など)や Only を伴う副詞句が文頭に来ることで、主語と動詞の語順が疑問文と同じになる構文です。長文の中でこれに気づかないと、文の主語を見失って誤読の原因になります。また、ライティングで強調したい主張があるときに効果的に使えます。

  • : Rarely do we see such a rapid technological advancement.
    (このような急速な技術的進歩を目にすることはめったにない。)

④ 仮定法過去完了・仮定法現在(Subjunctive Mood)

ライティング(意見論述)で、「もし〜でなかったら、重大な結果になっていただろう」と反実仮想を用いて論理を補強する際に便利です。また、提案・要求の動詞(suggest, demand, insist)の後に続く that 節内で動詞の原形を使う「仮定法現在」も、エッセイで頻出します。

  • : It is essential that governments take immediate action against global warming.
    (政府が地球温暖化に対して即座に対策を講じることが不可欠である。)

⑤ 助動詞 + 完了形(Modal + Perfect Infinitive)

過去の出来事に対する推量や後悔、非難を表す表現です。長文で筆者が過去の事例を分析する際によく使われます。

  • : They should have implemented the policy much earlier.
    (彼らはもっと早くその政策を実施すべきだったのに[しなかった]。)

3. 英検準1級の文法を効率よく身につける勉強法

文法問題集をただ解くだけの暗記学習は、準1級においては非効率的です。4技能で「使える」文法力を鍛えるための学習ルートを提案します。

ステップ1:高校英文法の基礎を総復習する(インプット)

まずは、大学受験や高校英語で習う文法全般(関係詞、比較、仮定法、分詞など)の基本をインプットし直します。文法用語の暗記ではなく、「なぜこの形になるのか」の論理的な理解を重視してください。

ステップ2:長文の「精読(英文解釈)」を取り入れる

過去問や長文読解の問題を解き終わったあと、あやふやな一文を見つけたら、SVOCの文構造(主語、動詞、目的語、補語)をペンで書き込んで精読します。修飾の矢印を引き、英文の骨組みを浮き彫りにすることで、文法が頭の中で構造化されます。

ステップ3:ライティングを通じてアウトプットする

覚えた文法項目(分詞構文や関係詞など)を意識して、英作文を書いてみます。書いた後に「すべて同じような単純な文になっていないか」「時制や単複の文法ミスはないか」を厳しくチェックします。

4. 4技能を伸ばす2ヶ月の文法学習ロードマップ

試験日まで2ヶ月を想定した、英文法を軸とした学習計画です。

  • 1〜2週目:高校英文法の総整理とインプット
    薄めの文法参考書を用いて、あやふやな単元を潰します。同時に、準1級の頻出文法を使った例文を暗唱・暗記し、文法の「型」を体にしみ込ませます。
  • 3〜6週目:精読とライティング演習(アウトプット)
    解いた過去問の長文を「精読」し、英文解釈の練習を重ねます。週2回執筆する英作文では、毎回「今回は関係詞と仮定法を必ず1回は使う」といったルールを設けて書きましょう。
  • 7〜8週目:本番を想定した時間演習と自己エラー分析
    過去問を時間を測って解きます。ライティングの執筆後に「自分が犯しやすい文法ミスの傾向(三単現のs、過去時制、前置詞の選択など)」をリスト化し、本番での見直し観点を整理します。

5. 独学の限界と対策:客観的な指導と添削の重要性

文法知識は参考書で補えますが、「自分が書いた・話した英語の文法が、本当に正しく自然であるか」を一人で判断することは困難です。

独学での英文法対策における3つの限界

  1. 細かな文法エラーの「スルー」
    自分で書いたエッセイを見直す際、スペルミスには気づけても、冠詞の有無や前置詞の選択といった細かい文法エラーはスルーしてしまいがちです。
  2. 直訳による「不自然な構文」
    文法書通りに作られた文であっても、ネイティブスピーカーや英語のプロから見ると「文法的には合っているが、そうは言わない」という不自然な表現になりがちです。
  3. 要約での不適切な言い換え
    新形式の要約問題では、本文の文法構造を言い換える必要があります。その言い換えが適切で、元の意味を損なっていないかを客観的に評価するのは独学では不可能です。

準1級合格に必要とされる「正確で多様な文法力」を最短で身につけるためには、プロによる適切な「添削と指導」を受けることが最善の方法です。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 英検準1級の語彙問題(大問1)で文法知識は問われますか?

語彙問題の多くは純粋な単語・熟語の意味を問うものですが、一部、前置詞との組み合わせ(語法・イディオム)や、文脈上ふさわしい品詞の選択など、文法や語法の知識が間接的に問われる問題が含まれます。そのため、語彙暗記の際にも文脈(どのような文構造で使われるか)を意識することが有効です。

Q2. ライティングでの文法ミスは、どれくらい減点されますか?

英検の採点基準では、スペルミスや軽微な文法ミス(三人称単数のsの脱落など)が1箇所あっただけで即不合格になることはありません。しかし、同じミスを繰り返したり、文の根幹に関わる大きな文法エラー(主語と動詞が一致していないなど)が複数あると、「文法」の観点で大きく減点され、合格ラインを下回る原因になります。

Q3. 大学受験用の英文法参考書や問題集は、準1級の対策にも使えますか?

十分に活用できます。大学受験用の文法書(『Next Stage』などの桐原書店の教材や、『英文法ポラリス』など)に掲載されている知識は、準1級のリーディング長文を読み解き、エッセイを書くための文法力とほぼ同等です。新たに難解な文法書を買い直す必要はありませんので、お手元の教材の基礎単元を完璧に復習することをおすすめします。

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