こんにちは! KIRIHARA Online Academy運営事務局のスタッフTです。
皆さんはTOEIC L&Rの“IPテスト”というものをご存じでしょうか。大学や会社などの団体受験プログラム(IP=Institutional Program)なのですが、なんと2026年4月から、個人でもオンラインIPテストの受験が可能になりました。
いわゆる紙のTOEIC公開テストとは違う点があり、メリットや使い道も見いだせるのではないかと早速一度、受けてみました。以下簡単ですが、体験記をレポートします。
(本ブログの情報は2026年5月現在のものです)
1.TOEICのテストが自宅で受けられる
TOEIC L&RのIPテストは、もともとは企業や官公庁・大学等で実施される団体向けのテストです。実は2026年4月頃から、「スタディサプリENGLISH」などのサービス経由で個人でも自宅からそのオンライン版を受験できるようになりました。
個人的に感じた一番のメリットは「手軽さ」です。
- 費用が安い: 公開テスト(8,000円程度)よりもリーズナブルな3,980円(税込・2026年5月現在)で受験できます。
- 場所を選ばない: 自宅など、PCとネット環境があればどこでも受験可能です(スピーカーで音が出せる自宅がおすすめ。外ならイヤホン等をお忘れなく!)。
- 時間が短い: TOEIC公開テストの120分とは異なり、約60分で完了します(詳しいしくみは後述)。
「短時間で今の実力を測りたい」という方にはぴったりです。
なお細かいことですが、今回私が利用したサービスでは受験期間が毎月区切られていて、23日ごろを過ぎると月末までの試験日は設定できない仕組みでした(※申し込みや受験のスケジュールは、利用するサービスや団体ごとに異なる場合があるため、事前に確認することをおすすめします)。私は月末までに絶対受けたい!と思ったので20日ごろにWeb上で申し込みました。

2.デジタル形式ならではの注意点
本番の紙テストとは違い、PCで受験するデジタル形式ならではの、いくつかの特徴がありました。
(1) リスニングセクションは「完全な一方通行」!
これが一番の違いかもしれません。もちろん音声は紙の試験であっても一方通行なのですが、オンラインIPのリスニングパートでは紙のような「先読み」や「前の問題のマークシートを直そう」という操作が物理的に難しいのです。画面上には基本的に目の前の1問だけ(3問セットなどの場合はその1セットだけ)が表示され、「NEXT」や「GO BACK」といったボタンはどこにもなく、音声と同時に自動で画面が進んでいきます。基本的にリスニング全体で、「前の問題には戻れない」と思ったほうがよいです。
紙のTOEICのスキルや戦略はデジタルでも有効ですが、すべては使えません。一つひとつの問題に集中し、その場で即決する集中力がより強く求められると感じました。
速く解いても次の問題を見ることができないため、しっかりと内容を聞くことに集中するのがオススメです。
(2) リーディングの長文は「画像」で表示される
受験する前はオンラインIPのリーディングは「画面が狭くてスクロールする手間が増えたり、前後のページを行き来できないことで長文が読みづらいのでは?」という懸念がありましたが、実際の画面はとても快適。
長文(あるいはパンフレット等)と設問・選択肢が左右に分かれて表示され、独立して縦スクロールできるため、無駄なクリック操作は必要なく、上から下へと読む感覚でとてもスムーズに問題に集中できました。
ただPart 7などでは長文や、デザイン性の高いパッセージが「画像」として表示されていることに気づきました。
そもそもこのTOEIC IPテスト、ブラウザのウィンドウの大きさをドラッグで広げたり縮めたりすることができるのですが、画像として表示された英文の文字サイズや改行位置は動きませんでした。設問や選択肢のみがサイズに応じて動く仕様です。
このことから、紙の印刷物とは異なるデジタル特有の「画面上での情報探索力」が重要になると感じました。KIRIHARA Online Academyでリーディング練習をする際も、単に読む速さだけでなく、PCやタブレットの「画面で情報を探し出す訓練」を意識すると良いかもしれません。
モニターのサイズが小さいと文字も小さくなるので、デスクトップパソコンやA4サイズ以上のノートパソコンなどで受験するとよいでしょう。
(3) アダプティブ出題方式を採用!
数年前から教育業界で耳にする「アダプティブ」「個別最適な学習」といった用語がありますが、このオンラインIPテストは通常200問のところを半分程度に圧縮するとともに、アダプティブ方式を採用しています。
Adaptiveは「適応性のある」「順応性のある」といった意味の単語で、簡単に言うとあなたのスキルに合った難易度の問題が出ますよ、ということです。
リスニング・リーディングそれぞれが前半と後半(「UNIT ONE」「UNIT TWO」)に分かれていて、前半の正解率が高い人には「難しめの後半」が、あまりできなかった人には「易しめの後半」が出題される、という動き方をしているようです。(難易度は2段階とはかぎらず、細かく5段階などに分かれている可能性あり、またパートごとに後半のレベル感が変わってくるかもしれません)
紙の試験のパート1にあたる「写真描写問題」だけはUNIT TWOにはないのですが、あとはUNIT ONEとTWOそれぞれに紙の試験のパート2,3,4がある(リーディングセクションでもやはり、UNIT ONEとTWOそれぞれに紙の試験のパート5,6,7がある)のです。
「えーっ、パート5なら5だけのかたまりで一気に解きたいのに…2周ずつあるの?」という嘆きが聞こえてきそうですが、全体の試験時間が120分から60分に短縮されていることからもわかるようにトータルの問題数は紙の試験の半分程度に抑えられていますので、ご安心ください。
設問数の比較

あれ、全100問かと思ったら90問しかない!? なんと。
とはいえ多くの方が不慣れなオンライン受験であったり、前に説明したとおりUNIT TWOで難しい設問に切り替わること必至なので、試験時間も余って楽勝!という油断は禁物です。私はいくつかパート7の問題を解ききれないまま涙のタイムアップとなりました…。

3. オンラインIPテストをどう活かすか?
昨年、数年ぶりに紙のTOEICを受けたのですが、あれって一日仕事でけっこう疲れますよね…(※個人の感想です)。
指定の時間に間に合うように不慣れな会場まで電車・バス等で行ったり、午後の部だと早めにランチを済ませたり、提出してもなかなか部屋から出してもらえなかったり…。天候や気温によってもコンディションが左右されます。
その点このTOEIC IPテストなら、早めに購入さえしておけば「いついつに受けよう!」と自分で決めたその日に受けられます。土日でも平日でも、夜中の12時でも、自分が一番集中できる60分間に全力投球できるのです。
結果は紙のテストよりずっと早く出ますし、スコアの価値自体は紙の公開テストと同じで履歴書にも書けるもの(※提出先の方針は要確認)ですので、例えば転職活動などで急いで英語力を証明したくなった時にも大いに役立ちます。ただしオンラインIPテストでは正式な証明書は発行されません。英語の教員採用試験、全国通訳案内士、その他、証明書の提出が求められる場面では、時間がかかるとしても紙のテストを受けなければなりません。
ただしそのような場合でも、「本番」の紙のテストで高得点を目指すための「実戦練習」として活用することもできると感じました。
たとえば紙のテスト(約8,000円)を4回受け、32,000円かけて目標スコアをとるとしたら、オンラインIP(約4,000円)で3回練習して、4度目の正直で紙のテストを受ける方式にすれば20,000円の出費で済み、貴重な休日のお出かけも一回で済むのではないか…。そんなことを考えたオンラインIPテスト体験でした。
設問の先読みができないなどの違いはありますが、テストに向けた学習法はマークシート版もオンラインIPも同じです。 また、オンラインIPではマークシート版で使用する問題をそのまま使用していますし、スコアの価値はマークシート版もオンラインIPも同じです。なお、運営面の信頼性から「公開テストのスコアのみ可」という企業や大学もありますので、スコアを証明する必要がある方は企業や大学の方針をご確認ください。
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