子供から大人まで幅広い層に人気で受験者数が増えている英検ですが、「英検S-CBT」という試験はご存じでしょうか。
本記事では英検S-CBTについて、詳しく解説します。
英検S-CBTとは?
英検S-CBTとは、パソコンで受験する英検です。
CBTは、Computer Based Testingの略称になります。
筆記試験と面接が行われる英検(従来型)と試験の実施方式は異なりますが、英検S-CBTと英検(従来型)どちらでも、同じ資格を得ることができます。
英検S-CBTは、自宅のパソコンで受験することはできません。試験会場(テストセンター)のパソコンで受験します。
英検S-CBTと英検(従来型)の5つの違い
英検S-CBTと英検(従来型)は、主に下記の5つの違いがあります。
- 受験対象級
- 試験方式
- 試験日数
- 実施回数
- 検定料
それぞれご紹介します。
① 受験対象級
英検S-CBTは、英検の全ての級を受験できるわけではありません。
英検S-CBTの対象級は、3級、準2級、2級、準1級の4つです。
英検(従来型)は、本会場受験であれば5級~1級まで全て、準会場受験であれば5級~2級までが受験対象になります。
英検S-CBT | 英検(従来型) | ||
本会場 | 準会場 | ||
1級 | × | 〇 | × |
準1級 | 〇 | 〇 | × |
2級 | 〇 | 〇 | 〇 |
準2級 | 〇 | 〇 | 〇 |
3級 | 〇 | 〇 | 〇 |
4級 | × | 〇 | 〇 |
5級 | × | 〇 | 〇 |
- 本会場とは 日本英語検定協会が設置する公開試験会場
- 準会場とは 日本英語検定協会が認めた団体受験のための特別な会場
個人で受験申込をする方は「本会場」で受験することになります。
一方、学校や塾などを通して団体で申し込みをし、その学校や塾で試験を受けることがあります。その場合、その学校や塾などの施設は「準会場」と呼ばれ、「準会場」で受験することになります。
② 試験方式
英検S-CBTと英検(従来型)の大きな違いは試験方式です。
英検(従来型)が紙の筆記試験と面接なのに対して、英検S-CBTは全てパソコンで試験が行われます。
ただし、ライティングは、キーボードによるタイピング型か、手書きの筆記型か、どちらかを選ぶことができます。パソコンの操作が苦手な方や、タイピングのできないお子様は筆記型を選択すると安心です。
英検S-CBTのスピーキングテストは、パソコンに面接官の映像が流れ、面接官の質問に対する自分の答えをパソコンに録音して提出します。面接官とオンラインで面接をするわけではなく、コンピューターを相手に質問に答える形式です。
③ 試験日数
英検S-CBTは1日で4技能全ての試験が行われます。試験の順番は、①スピーキング②リスニング③リーディング④ライティングです。
英検S-CBTは、全ての試験が同日に行われますが、一次試験と二次試験に分けて合否が判定されます。例えば、一次試験(リーディング、リスニング、ライディング)は合格、二次試験(スピーキング)は不合格になることもあります。
英検(従来型)は、一次が筆記試験(リーディング、リスニング、ライティング)、二次が面接(スピーキング)と2日間に分かれています。英検(従来型)は、一次試験の合格者のみが二次試験へ進むことができます。
④ 実施回数
英検S-CBTは、毎週土日に実施されています。(級や地域によっては毎週実施されない場合があります。)
英検(従来型)は年に3回の実施です。
実施回数は英検S-CBTの方が遥かに多く、自分で好きな日程を選ぶことができます。
⑤ 検定料
英検S-CBTは英検(従来型)と検定料が異なります。
英検(従来型)に比べて、英検S-CBTの方が高めに設定されています。
英検S-CBT | 英検(従来型) | ||
準会場 | 本会場 | ||
1級 | – | – | ¥11,800 |
準1級 | ¥9,900 | – | ¥9,800 |
2級 | ¥9,000 | ¥6,400 | ¥8,400 |
準2級 | ¥8,500 | ¥5,700 | ¥7,900 |
3級 | ¥7,200 | ¥4,700 | ¥6,400 |
4級 | – | ¥2,900 | ¥4,500 |
5級 | – | ¥2,500 | ¥3,900 |
2023年度の期間限定で、検定料が100円引きになるキャンペーンを実施しています。英検S-CBTは2024年4月1日10時申込分まで適用されます。
英検(従来型)と異なる点も多い英検S-CBTですが、具体的にどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
英検S-CBTのメリット4選
英検S-CBTのメリットは主に次の4つです。
- 受験機会が多い
- 試験会場を選ぶことができる
- リスニングが聞き取りやすい
- タイピング型を選択すればライティングが早く書ける
それぞれご紹介します。
① 受験機会が多い
英検(従来型)は年に3回のみ実施なのに対して、英検S-CBTは基本的に毎週土日に実施されています。また、英検S-CBTは検定期間内に同じ級を2回受験することが可能です。
つまり、英検S-CBTなら同じ級を年6回受験することが可能になります。受験機会が多いということは、その分合格するチャンスも増えますので、大きなメリットとなります。
② 試験会場を選ぶことができる
英検(従来型)は、受験票が届くまで試験会場は分かりませんが、英検S-CBTは、試験会場(テストセンター)と日程を指定することができます。
申込時に試験会場が分かるので、試験会場までの所要時間やアクセスを事前に確認することができます。
自宅からアクセスの良い会場を選べることや、毎回同じ会場を選択して慣れた場所で試験を受けることができるのは、英検S-CBTならではの利点です。
③ リスニングが聞き取りやすい
英検S-CBTのリスニングは、ヘッドホンをして聞きますので、クリアに聞こえます。
英検(従来型)は、試験会場のスピーカー越しにリスニングの音声が流れますので、会場の環境や席によって聞こえづらい場合があります。
英検S-CBTの場合は、耳元でリスニングの音声が流れるため、はっきり聞こえ、聞き取りやすいです。
④タイピング型を選択すればライティングが早く書ける
英検S-CBTのライティングは、キーボードによるタイピング型か、手書きの筆記型のどちらかを選ぶことができます。
タイピング型を選択することで、手書きよりも早く文章を書くことができます。
例えば、ボタン一つで文章を消すことができますし、カット&ペーストやコピー&ペーストを使えば、文章の順番を入れ替えることも簡単にできます。
さらに、英検のライティングテストでは文字数の指定がありますが、タイピング型であれば自動で文字数が表示されます。自分で文字数を数える必要がないので便利です。
筆記型を選択した場合と比べて、タイピング型ならライティングにかかる時間を短縮することが可能です。
英検S-CBTのデメリット4選
英検S-CBTにはメリットもありますが、デメリットもあります。
デメリットは下記の4つです。
- 会場の定員人数が少ない
- 周りのスピーキングの声が気になる
- 4技能の対策を一度にしなければいけない
- パソコンの操作に慣れておく必要がある
詳しくご説明します。
①会場の定員人数が少ない
英検S-CBTは、1人1台パソコンを使用するため、英検(従来型)と比べて会場の定員人数が少ないです。
希望の試験会場は満員ということもありますので、早めに申し込むことをおすすめします。
②周りのスピーキングの声が気になる
英検S-CBTのスピーキングテストは、パソコンに自分の音声を録音します。
隣の席との間は、パーテーションで仕切られているだけなので、周りの人のスピーキングの声が気になってしまう可能性があります。
しかし、ヘッドホンをしているので、周りの声がうるさくてスピーキングテストに支障が出るほどではありません。
スピーキングテストは、特に集中するように心がけましょう。
③4技能の対策を一度にしなければいけない
英検S-CBTは1日で4技能の試験が行われるため、スピーキングも含めた全ての対策を試験日までにする必要があります。
また、試験時間も長くなりますので、集中力を維持しなければなりません。
試験当日までに十分な対策をしましょう。
④パソコンの操作に慣れておく必要がある
英検S-CBTは、パソコンで行う試験ですので、パソコン操作に慣れておく必要があります。
英検の公式サイトでは英検S-CBT体験版を試すことができます。英検S-CBT体験版を実際に操作してみて、試験形式や操作方法に慣れておくことをおすすめします。
英検S-CBTと英検(従来型)はどちらを受ければいい?
英検S-CBTにはメリットとデメリットがあります。
それでは、英検S-CBTと英検(従来型)はどちらを受ければいいのでしょうか。
英検S-CBTがおすすめな人
英検S-CBTが向いているのは次のような方です。
① 自分の予定に合わせて英検を受験したい人
自分の予定が空いている日に英検を受験したい方には、英検S-CBTがおすすめです。
1日で4技能全ての試験が終わるので、時間を節約することができます。
仕事や部活などで忙しく、英検(従来型)の日程に予定を合わせることが難しい方にも向いています。
② 英検取得までの期日が迫っている人
「大学受験の願書提出日までに英検2級が必要」など、英検を取得するまでの期日が迫っている方は英検S-CBTがおすすめです。
英検S-CBTなら、年6回同じ級を受験することができます。
英検(従来型)と併用すれば合計年9回受験が可能になりますので、時間がなく、とにかく数を打ちたい方は英検S-CBTを受験してみてください。
③ 対面の面接だと緊張してしまう人
対面の面接だと緊張してしまう方は、英検S-CBTがおすすめです。
英検S-CBTのスピーキングテストは、相手はコンピューターですので、対面に比べて緊張せずに挑むことができます。
④ タイピングが得意な人
パソコンを使い慣れていて、タイピングが得意な方は英検S-CBTがおすすめです。
英検S-CBTでは、ライティングの形式をタイピング型か筆記型か選ぶことができます。
タイピングが得意な方であれば、手書きするよりも遥かに短い時間でライティングを仕上げることができます。
英検(従来型)がおすすめな人
英検(従来型)が向いている人は次のような人です。
① パソコンの操作が苦手な人
日頃ほとんどパソコンに触れる機会がなく、パソコンの基本操作が分からない方は英検(従来型)がおすすめです。英検(従来型)であれば、筆記試験は紙ですので、パソコン操作の得意不得意に関係なく安心して受験することができます。
② 個室で対面のスピーキングテストを受けたい人
落ち着いた静かな環境で、面接官と一対一でスピーキングテストをしたい方は英検(従来型)がおすすめです。
英検(従来型)のスピーキングテストは、一人ずつ面接室で行われます。面接室は個室ですので、周りの声を気にすることなくスピーキングテストに集中できます。
また、聞き取れなかったときに聞き返すことができる点も、対面ならではの良いところです。
③ スピーキングの対策に十分な時間をかけたい人
スピーキングの対策に十分な時間をかけたい方は、英検(従来型)がおすすめです。
英検(従来型)は、一次試験(筆記)と二次試験(面接)に分かれているため、一次試験が終わった後に約1か月間、スピーキング対策をする時間があります。
時間に余裕を持ってスピーキング対策をしたい方は、英検S-CBTよりも、英検(従来型)が向いています。
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本記事では、英検S-CBTとはどのような試験なのか、英検(従来型)との違いなどについてご紹介しました。英検S-CBTを活用することで、英検合格のチャンスが増えますのでぜひ検討してみてください。
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