
TOEIC® L&Rテストを受けてみました!
こんにちは! 桐原書店の社員Tと申します。KIRIHARA Online Academy運営事務局の新メンバーに加えていただいたのをきっかけに、この秋、約10年ぶりにTOEIC®L&Rテストを受けました。
10年前の試験内容は昔のことすぎて正確には思い出せないのですが、これから何回かの記事に分けて、いち受験者の目から見た近年のTOEIC®に特徴的な設問タイプや、高校英語(大学入試レベル)までと違うTOEIC®英語の特徴などをレポートできればと思います。

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約2か月前からTOEIC®を意識してはいたものの、本番3日前までまとまった勉強時間がとれず、公式問題集を解いて自己採点しても昔の記録マイナス200点くらいで焦りました。しかし試験当日までになんとか受験生モードに戻り、リスニング・リーディングとも時間切れせずに解ききれました。
普段出会わない難語、意味が分からない単語、というのはどんなに勉強してもゼロにはならないものですが、今回のTOEIC®では「知らない単語に焦って脳がフリーズしてしまう」ということはほとんどなかった気がします。リスニングでは、固有名詞・地名ふくめて聞き取れなくて焦った場面はありましたが、それらは聞き取れなくてもOKと割り切れました。
普段から教材や映画の気になる単語・例文を日常的にメモして、できるだけ覚えてきた成果が出せたかな…実は私、単語オタクなんです。
今回の試験で「このくらいの単語、非常にTOEIC®らしいな」と感じた単語はたとえばitinerary「旅程表、旅行の訪問地リスト」などでしょうか。絶対出る!とは言えませんがもしアイテネラリーという単語が初耳だったら、心の片隅で覚えておいてくださいね。

minor, term, solution…。身近な単語の意外な意味
さて、TOEIC®やTOEFL®、英検の上の級などの学習でよく聞くアドバイスに、すでに知っている単語の「意外な意味」まで覚えておくと強い、という話があります。
たとえばminor 「小さい、わずかな、マイナーな、少数派のetc.」という形容詞は、大学生の話題で「副専攻の」という意味を持ちます(主専攻majorの対義語)。
term「期間、学期etc.」が学術分野においては「専門用語」の意味になり、geography terms「地理学の用語」のように使われたりします。
solution「解決策」が化学実験の長文やリスニングに出てきたら「(水)溶液」という意外な意味かもしれません。
impression「印象、感銘etc.」をもとにした人を表す名詞・形容詞Impressionistは「印象派(の画家)」を指します。モネとかマネ、ルノワールのことですね。
💡 早川Jay幸治先生のアドバイス:
芸術系はよく出ます。exhibition(展示)やsculpture(彫刻)も必須!

日本人学習者から見て、こうした“多義語”は、定義①、②、③…と機械的に暗記しようとすると大変です。でも、たくさんの英文や動画等で何度も触れていると、ある瞬間、なんとなくその単語の原義とか、コアミーニングみたいなものがつかめてくることがあります。
自分の頭で単語のイメージを「こうかな…?」とつかむことができたらしめたもの。スマホにメモする、ノートに書き留める、マイ単語のエクセルに書き残す…なんでもいいので、ご自分に合った方法で、その気づきを忘れないようにしてみてください。
単語帳や英和辞典には限界がありますが、時間があったら背伸びして英英辞典(Webでも可)など引いてみると、日本語訳に頼らない意外な気づきが得られることもあります。

世界で一番切実なactually
少し話が飛びますが、私が10代の終わり、高校卒業後にアメリカの大学生寮に居候していたときに出会った「身近な単語の意外な意味(あるいは使い方)」をご紹介します。
Actually「実は、事実上は、本当は」という単語がありますね。高校時代までの私は、教材の長文などでこのアクチュアリーを「けっこう固めの文語」のようにとらえていました。でも日常的に使われる単語には、ときに辞書に掲載されていない意味もあるんです。
ある日、4人部屋の寮で、ルームメイトのアメリカ人Kenくん(Kenneth)と同時にひとつしかないトイレに行きたくなって、鉢合わせしてしまったときのことです。Go ahead.だったかAfter you.だったか何度も譲り合ってお見合い状態になったあと、しびれをきらした彼は、Actually, I’ll go!「やっぱり、お先に失礼!」とドアを開けて飛び込んでいったんです。けっこう限界まで我慢していたんだと思います(下品な話題ですみません…)。
残された私は、先ほどのやりとりを思い返して「いまKen、アクチュアリーって言ったぞ。絶対言ったよな…。アクチュアリーって、こんなに日常的な場面で気持ちを込めて使えるんだ! 勇気出してアメリカに来てよかったな…。英語っていいなあ!」とひとり感動していました。
それ以来、英文でactuallyに出会うたびに申し訳なさそうなKenの顔や、世界一切実なactuallyの用法を昨日のことのように思い出します。いまでも英語で一番好きな単語の一つです。
当時は90年代後半、ネット上の情報はまだまだ少なかったですが、いまGoogle検索などでスラング表現のサイトを見ると「(気が変わったとき)やっぱり~にします」という訳や、「actuallyのコアミーニングは、事実や想定と異なることを伝えること」なんていう記述もありました。
💡 早川Jay幸治先生のアドバイス:
TOEIC®でPart 2の選択肢にActuallyが登場したら、正解になる確率が高いですよ!
後年、より深く英語を学んでから気づきましたが、actuallyのような「副詞」に感情をこめて自在に使えるようになると、面接やスピーキングで言いたい気持ちが表現できたり、ライティングの中で微妙なニュアンスが込められたりするものなんですよね。
余談ですが、カタカナでは同じに見えるアクチュアリーという語で、後半のつづりがrのactuary「保険数理士」(名詞)も、ついでに覚えておくと話のタネになるかもしれません。
英単語にはいろいろなレベルがあり、難しいものはときに投げ出したくもなりますが、苦しい気持ちで覚えるより、一個一個の単語と気持ちを分かりあう…というか、楽しみながら覚えていったほうが記憶にも残ると思います。
みなさんのTOEIC®の勉強や英語学習が少しでも楽しい時間になることを願っております。

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本記事では、TOEIC®に役立つ単語学習のコツや楽しみ方についてご紹介しました。
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