基本の小論文の書き方
小論文は、基本の型に沿って書きます。
基本の型とは、序論、本論、結論の順に3つの段落の構成です。
1000字の小論文を書く場合も、この型をベースに書きます。
序論 | 自分の意見 |
本論 | ①その意見を選んだ理由 |
②具体例 | |
結論 | 自分の意見を再び示す |
序論:意見を書く
1行目に自分の意見を書きます。
前置きは不要です。
問われていることに対する自分の意見や答えを1行でシンプルに書きます。
本論:理由と具体例を書く
まず序論で書いた意見を選んだ理由を書きます。
次に具体例を書きます。
具体例は自分の身近な出来事や経験、またはニュースなどで報道されているような一般的な事実を書きます。
具体例は読み手がその内容を理解しやすくなるものにします。自分しか理解できない具体例を書くことは避けましょう。
結論:意見をもう一度書く
最後に、第一段落に書いた自分の意見をもう一度書きます。
序論と結論は同じ意見でなければいけません。
序論で賛成と書いたのであれば、結論も賛成と言い切ります。
1000字の小論文の書き方 2パターン
1000字の小論文は、原稿用紙2枚半の文字量です。
基本の型だけでは、文字数が足りなくなるため、本論に文章を付け加えます。
2つのパターンの書き方をご紹介します。
① 反対説・反対説の批判を入れる
序論 | 自分の意見 |
本論 | ①その意見を選んだ理由 |
②具体例 | |
③反対説 | |
④反対説への反論 | |
結論 | 自分の意見を再び示す |
本論の後ろに反対説と反対説の反論を入れるパターンです。
反対説では、自分の意見と反対の立場の意見を紹介します。
- しかし~という意見もある。
- ~という反論が想定される。
次にその反対説への反論を述べます。
反対説の良くない点を述べ、その反対説は妥当ではないという流れで書きます。
- しかし~のため、~とは言えない。
- 確かに~である。しかし~である。
② 自分の意見の問題点・解決策を入れる
序論 | 自分の意見 |
本論 | ①その意見を選んだ理由 |
②具体例 | |
③自分の意見の問題点・デメリット | |
④解決策 | |
結論 | 自分の意見を再び示す |
本論の後ろに自分の意見の問題点とその解決策を入れるパターンです。
まず自分の意見の問題点やリスクなどを述べます。
- ~というデメリットがある。
- ~という問題がある。
- ~が懸念される。
そしてこの問題点に対する解決策を続けて書きます。
- ~をすることでその問題は除去できる。
- ~をすることでその問題は軽減できる。
解決策は、具体的な解決策を書きます。
あまり良くない解決策の例としては、「~について国民一人一人が考えるべきである」「~について寛容になるべきである」のようなものです。
これらは精神論であり、具体性に欠けます。
「~を解決するために、~を作るべきだ」「国が~な制度を整えるべきだ」のように、具体的な方法まで踏み込んで書くようにしましょう。
1000字の小論文はどのくらいの文字数を書けばいい?
小論文を書く上で、文字数のルールは必ず守らなければいけません。
試験の合否に関わる重要な要素になります。
文字数制限のパターン別に、何文字程度書けば良いのかをご紹介します。
1000字以内の場合
最低でも800字、理想は900字~1000字
「~字以内で述べなさい」という問題の場合は9割以上書くようにしましょう。
最低でも8割は書く必要があります。
また、1000字を1文字でも超えてはいけません。
800字以上、1000字以内の場合
最低でも800字、理想は900~1000字
「~字以上、~以内で述べなさい」という問題の場合は答える文字数は最高文字数の9割以上、最低でも8割以上書くようにしましょう。
また、1000字を1文字でも超えてはいけません。
「~字以内で述べなさい」の問題と同様になります。
1000字程度の場合
900~1100字
「~字程度で述べなさい」という問題の場合は指定文字数のプラスマイナス1割程度の範囲で書きましょう。
絶対にこの範囲内に収めなければいけないわけではありません。多少の誤差は許容されます。
文字数が足りないときの2つのテクニック
具体例を増やす
文字数を増やしたいときのテクニックの1つは、具体例を増やすことです。
本論に記載する具体例を、1つから2つに増やします。
具体例を増やすことで、文章の内容に厚みや説得力を持たすことができます。
反対説の良い点を述べる
自分の意見と反対の意見に触れ、さらに反対説の良い点を述べることで、文字数を増やすことができます。
このテクニックの良いところは、反対説の利点に触れることで意見の多様性を認めつつも、自分の意見の方が優れていると主張できる点です。
例えば、「高校生は学習にスマートフォンを使用するべきか」というテーマが出題されたとします。
スマートフォンのアプリケーションを使うことで、効率良く学習できるという意見もある。しかし、スマートフォンには、ゲームやソーシャルネットワーキングサービスなどの魅力的なコンテンツが多く、学習に集中できなくなる可能性がある。
上記の文章に、反対説の良い点を追加してみます。
スマートフォンのアプリケーションを使うことで、効率良く学習できるという意見もある。確かに、スマートフォンを活用することで、通学時間や隙間時間に手軽に学習できるため、時間を有効に使うことが可能である。満員電車の中で立ちながら、参考書とノートを開いて学習することは難しいが、スマートフォンであれば立った状態でも問題なく学習できる。しかし、スマートフォンには、ゲームやソーシャルネットワーキングサービスなどの魅力的なコンテンツが多く、学習に集中できなくなる可能性がある。
反対説の良い点を書くことで、110字増やすことができました。簡単に文字数を増やすことができるので、おすすめのテクニックです。
やってはいけない文字数稼ぎ3選
漢字をひらがなにする
1つ目は、漢字で書くべき文字をひらがなにすることです。
ひらがなが多い文章は、幼稚な印象を与えてしまいます。
漢字で書けるものは、漢字で書くようにしましょう。
読点を多用する
2つ目は、文字数を増やすために、読点(、)を増やすことです。
以下の文章を読んでみて、どのように感じますか。
私は、地球温暖化を、防ぐためには、再生可能エネルギーの利用を、促進することが、必要だと考える。
これは極端な例ですが、読点が多く、文章が細かく区切られていて読みにくい印象を受けたのではないでしょうか。
文章を読みやすくするために読点は必要ですが、文字数稼ぎのために読点を多用しないようにしましょう。
冗長な表現に言い換える
3つ目は、冗長(じょうちょう)な表現に言い換えることです。
冗長な表現とは、遠回しで無駄のある表現のことです。
文字数を増やすために、本来は不要である表現をすると、回りくどく理解しづらい文章になってしまいます。
- ~である → ~ということである
- ~できる → ~することができる
- ~がある → ~があるものである
上記のような文字稼ぎはやめましょう。
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本記事では、1000字の小論文の書き方について解説しました。
文字数が埋められずに苦戦する方が多いですが、型に沿って書くことで1000字の小論文にも対応することができます。
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