「Part3に入った瞬間、設問を読む前に会話が始まってしまう……」
「会話はなんとなく聞こえるのに、3問中1問しか解けない」
「What does the man mean when he says… という問題だけ、いつも外す」
TOEIC L&Rのリスニング後半を担うPart3(会話問題)は、39問・13会話×3問というボリュームのパートです。会話は1回限りの放送、設問は印刷されている——この「先読みできる」という特性を活かせるかどうかで、リスニングスコアは大きく変わります。
結論から言うと、Part3対策の核心は「設問の先読み」「設問の順番どおりに情報を拾う聞き方」「意図問題・図表問題の型を覚えること」の3つです。この記事では、IIBC公式情報と高得点者の知見をもとに、Part3を得点源に変える完全ガイドをお届けします。
1. Part3の出題形式を押さえる
基本ルール(IIBC公式)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 問題数 | 39問(13会話 × 各3問) |
| 形式 | 2人または3人の会話が1回放送(会話文は印刷なし) |
| 設問 | 問題冊子に設問文と4択が印刷。設問文は音声でも読上げ |
| 解答 | 会話を聞き、最も適切な選択肢をマーク |
| 所要時間 | 約17分 |
本番の1セットの流れ
- 先読み時間(Part2中・セット間約8秒・Part3冒頭ディレクション約30秒)
- 会話音声が1回放送
- 設問1〜3が順に読上げ(各設問の前後に選択肢確認の時間)
- 次のセットへ(会話終了後、約8秒でマーク+次の3問先読み)
特殊な出題(要重点対策)
| 種類 | 出題数の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 意図問題 | 約2問 | What does the man mean when he says, “…”? |
| 図表問題 | 約3問 | 設問冒頭に Look at the graphic.。表・地図・時刻表等 |
| 3人会話 | 2セット | 13会話中2つが3人の話し手 |
図表問題は解答時間が通常の8秒ではなく12秒と長めに設定されています(スタディサプリ解説)。

2. 先読み — Part3の成否を決める技術
Part3の正答率は、会話が始まる前の準備で8割決まると言われます。ただし、闇雲に読むのではなく、何を・どれだけ読むかが重要です。
先読みのタイミング
| タイミング | 読む内容 |
|---|---|
| Part1ディレクション中 | Part3最初のセット(Q32〜34)の設問 |
| Part2解答中 | 次のPart3セット3問の設問 |
| 各会話セット間(約8秒) | 今解いた3問をマーク + 次セット3問の先読み |
| 設問読上げ中 | 音声を無視して次セットの設問へ |
先読みのルール
基本: 設問文だけを5〜7秒で3問一気に読む
- Where does the conversation most likely take place? → 場所・シチュエーション
- What problem are the speakers discussing? → 問題・課題
- What will the woman do next? → 次の行動
- When will the meeting be held? → 日時・数字
選択肢まで全部読む時間は通常ありません。設問の疑問詞とキーワードだけで「何を聞くか」をセットしてください。時間に余裕がある場合や、最初の2セットだけは選択肢もざっと目を通す、という段階的アプローチも有効です。
意図問題の先読み
設問に “…”(ダブルクォーテーション)で引用セリフがある場合は、意図問題です。他の設問より優先して引用文を読み、会話中にそのセリフが流れたら直前・直後の文脈に集中しましょう。
3. 会話中の聞き方 — 設問の順番=会話の展開
ルール① 設問の順に答えを探す
Part3の3問は、多くの場合会話の時系列に沿って答えが出ます。
| 設問 | 答えが出やすい位置 |
|---|---|
| 1問目 | 会話の序盤(全体・場所・問題の提示) |
| 2問目 | 会話の中盤(詳細・理由・数字) |
| 3問目 | 会話の終盤(次の行動・結論) |
先読みした設問を頭に置いたまま、「答えの宝探し」をするイメージで聞くと、漫然と聞き流す時間が減ります。
ルール② 答えが出たら即マーク
1問目の答えが会話序盤で確定したら、設問読上げ中にマークし、残り時間を次セットの先読みに回します。3問すべて会話終了後に解くのは、時間と先読みの両方で不利です。
ルール③ シチュエーションを常に意識
会話を聞きながら、次を頭の隅で整理しておきましょう。
- Who — 話者は誰か(同僚?顧客?)
- Where — どこで話しているか(オフィス?店?空港?)
- What — 何について話しているか(問題・依頼・予定)
この3点が掴めると、聞き取れなかった単語があっても文脈で正答を絞れます。
4. 意図問題の攻略 — 直前・直後の文脈がすべて
意図問題は、引用されたセリフの「なぜそのタイミングで言ったか」を問います。正解は会話中に直接言われないことが多く、4択すべてが正解に見えるのが特徴です(会話を聞いて初めて1つに絞れる)。
解き方の3ステップ
- 先読み: 引用セリフ(“I’m not sure” 等)を確認し、意図問題だと認識
- 会話中: そのセリフが流れたら、直前の相手の発言(きっかけ)と直後の相手の反応(裏付け)に集中
- 選択肢: 各選択肢が表す「話者の目的」(同意・断り・驚き・情報提供等)と文脈を照合
例
- 直前: 相手がレストランに誘う
- 引用: I went to that restaurant last week.
- 意味: つい最近行ったので、別の店を提案したい(やんわり断る)
よく出る設問パターン
What does the man mean when he says, “…”?
What does the woman imply when she says, “…”?
Why does the man say, “…”?

5. 図表問題の攻略 — Look at the graphic.
図表問題は、問題用紙の一番上に図表、その下に3問×1セットというレイアウトが特徴です。
解き方
- 先読み: 図表の種類(表・地図・フロア図・スケジュール)と、設問が何を問うかを把握
- 会話中: 図表の固有名詞・数字・カテゴリ(人名と部署、商品と価格等)に対応する情報を聞く
- 照合: 「聞く → 見る → 1つに絞る」の順で解答(12秒の解答時間を活用)
図表問題は1セット内のどの位置にも出題されます。設問冒頭の Look at the graphic. を見逃さないでください。
6. ひっかけ対策 — パラフレーズと数字
言い換え(パラフレーズ)
正解選択肢は、会話の表現をそのまま使わないことがほとんどです。
| 会話 | 選択肢 |
|---|---|
| ask | inquire |
| buy | purchase |
| cheap | inexpensive |
| delay | behind schedule |
023・025の記事でも触れたパラフレーズ学習は、Part3でも必須です。間違えた問題の「会話の語句 ↔ 正解選択肢」をノートに記録しましょう。
数字の取り違え
15と50、13と30など、似た数字が会話と選択肢に登場し、1つが不正解の根拠になります。日時・金額・数量の設問では、数字を聞いた瞬間に選択肢と照合する癖をつけてください。
7. 効果的な勉強法 — 精読・音読・シャドーイング
公式問題集+Part3&4 音声速解
第一教材はIIBC公式TOEIC問題集です。IIBCの「公式TOEIC Listening & Reading Part 3 & 4 音声速解」(2024年12月発売)は、5ステップ(聴く→キーワード→チャンク聞き→実戦→音読)でPart3・4に特化しており、独学のロードマップとして最適です。
1会話セットの復習サイクル
- 本番形式で3問解く(先読みあり)
- スクリプトを精読(話者・文脈・正解根拠を確認)
- 会話全体を音読10〜15回(桐原書店メソッド)
- シャドーイングで処理速度を上げる(023の6ステップ参照)
- 同じ会話を3〜7日反復
1日25分の学習例
10分: 公式問題集Part3を4セット(12問)先読み付きで解く
10分: 間違えた会話1セットの精読+音読
5分: 意図問題・図表問題の解説を1セット分読む

8. スコア別 — Part3の目標正答数
| 目標スコア | Part3目標 | ポイント |
|---|---|---|
| 500点台 | 20〜25問 / 39 | 設問先読み+1問目の即答 |
| 600点台 | 25〜30問 / 39 | パラフレーズ20組+セット間先読み |
| 700点台 | 30〜34問 / 39 | 意図・図表の型+即マークのリズム |
| 800点以上 | 34〜37問 / 39 | 3人会話・数字ひっかけまで安定 |
9. よくある質問(FAQ)
Q1. 先読みは設問だけ?選択肢も読むべき?
A1. 時間が限られるなら設問優先が基本です(スタディサプリも選択肢の先読みは時間不足になりやすいと指摘)。ただし、最初の1〜2セットや図表問題では、選択肢の固有名詞・数字をざっと確認する余裕を作ると正答率が上がります。
Q2. 3人会話で話者がわからなくなる
A2. 先読みで Who is the man? What is the woman’s job? など人物に関する設問がないか確認し、会話冒頭で声のトーンと呼びかけ(Mr. Tanaka, Sarah 等)をメモ程度に意識しましょう。公式問題集の3人会話2セットを重点的に反復するのが近道です。
Q3. 意図問題は選択肢を先に読んでもいい?
A3. 意図問題だけは例外で、引用セリフを必ず先読みしてください。4択は会話なしではすべて正解に見えるため、引用文を頭に置いたうえで会話の文脈を聞く必要があります。
Q4. Part4対策と同時にやるべき?
A4. 解き方(先読み・パラフレーズ・音読)はPart3とPart4で共通です。ただしPart3は「会話のやりとり」、Part4は「アナウンス・説明文」と聞き方の焦点が異なるため、Part3を先に集中対策し、型を身につけてからPart4に広げるのが効率的です。
Q5. 聞き取れないときはどうする?
A5. 設問先読みで絞った2択まで消去法で絞り、わからなければマークして次へ。1問に固執して次セットの先読みを失う方が、総合得点では不利です。復習ではスクリプト精読+音読で聞き取れなかった箇所を潰してください。
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