こんにちは。桐原書店のtama と申します。この秋、約10年ぶりにTOEIC®L&Rテストを受けました。
自分の学習体験を振り返ったり10年前の公式問題集と最新のものを見比べたりしながら、いち受験者の目から見た近年のTOEIC®に特徴的な設問タイプや、高校英語・大学入試と違うTOEIC®英語の傾向をご紹介できればと思います。よろしくお願いします。
テスト3日前の夜、得点テクニックに開眼!
試験約2か月前からTOEIC®を意識してはいたものの、仕事に追われてなかなかまとまった勉強時間がとれず、『公式TOEIC® Listening & Reading問題集10』『同11』を少しずつ解いて自己採点してみても目標マイナス200点くらいで焦っていました。
リーディングはまあまあのスコアが取れるのにリスニングとくにPart 3がボロボロなのです。スクリプト(台本)を読んで聞き直すとそこまで難しいことは言っていないはずなのに、台本を見ずに音声に合わせて解いていくと…ダメなんです。
聞き取れなかった単語を気にしだすと30秒くらい耳に意識が行かず、話が飛んでわからなくなったり、選択肢を決めきれないうちにもう次の音声が始まってしまい、また慌てるという…我ながら悪循環です。
そんなある日、KIRIHARA Online Academy指定テキストでもある『TOEIC® L&Rテスト書き込みドリル 全パート標準編 スコア650 』(早川幸治・著/桐原書店)を見ていたら、コレだ!という攻略法に出会いました。
☑ 先に質問文を読み、どのような情報が求められているのかを確認する。
☑ 会話の場所や話題などの基本情報は、冒頭をしっかり聞き取る。
☑ 詳細情報は、求められている情報をピンポイントで聞き取る。
以上は同書P12などに太字で書いてあるポイントなのですが、なんとなく読んでいた時はこの「戦略的な聞き方(+あえて聞かないテクニック)」の重要性に気づきませんでした。
💡 早川Jay幸治先生のアドバイス:
やみくもに聞くだけだと、実力が発揮できないケースが結構ありますよね。「単語を追いながら聞く」よりも「ポイントに沿った聞き方」ができるようになるとスコアにつながります。
とくに最初の項目、
☑ 先に質問文を読み、どのような情報が求められているのかを確認する。
これ実は高校英語のリスニングでも王道です。しかしTOEIC®においては英語のレベルが圧倒的に高いんですよね。
- 音声スピードが相当速い。無音部も短い。
- “2回読み”してくれない。
- ときどき「普通は聞き取れない難しい語や、謎の固有名詞」が入ってくる。
これを乗り切るためにPart 3,4だけは禅僧のように集中しましょう。
(Part 5リーディング以降は、もう耳は使わないので多少リラックスできます)
わたし自身、試験の3日前くらいにやっと気づいたテクニックなのですが、ひとつの会話/トークにつき3問という構成を意識して以下のサイクルを回していけば、必ず切り抜けられます。
①常に3問だけ先まで問題用紙をざっと読む。
(指示文は聞かずに32,33,34の設問を読み、できたら選択肢も目を通します)
💡 早川Jay幸治先生のアドバイス:
選択肢より設問の理解を優先してください! 問題内容がわかると、事前に会話やトークの流れを把握しやすくなります。
②会話・トーク音声が流れたら、さっき読んでおいた設問をヒントに聞く。
(予備知識ゼロよりも聞きやすくなります。それと、3つの設問はたいてい音声の前半・中盤・後半に相当するので、アタリがつけられます)」
↓
③設問文の読み上げを待たずに音声を聞きながら選択肢に目を配り、確実に解けたと思ったらどんどんマークしてしまう。
(答えに迷ってもとにかくマークし、前の設問は忘れて脳をリセットします。最悪、自分のレベルを超えた難問で遅れ気味のときは3問まとめて捨ててでも、引きずらないで次の3問を獲りに行きましょう)
↓
④設問文の読み上げは絶対聞かない!
(印刷されたものの読み上げですから、時間がもったいないです。32,33,34の設問文が流れている間は心を鬼にして、耳栓をしたつもりで35,36,37を読みましょう)
↓
②に戻る。
設問98,99,100のセットが解き終わるまで延々このサイクルの繰り返しです。
Part 3,4は通算69問=23セットもあります。
💡 早川Jay幸治先生のアドバイス:
時間にして30分以上あります!
集中を途切れさせないことは思った以上にしんどいですが、公式問題集の音声などを使ってストイックに取り組んでみてください。だまされたと思って2,3日試していただければ、霧が晴れて視界がパッと開けるように聞き取りやすくなるのに気づくはずです。
逆に言うとPart 1,2の31問は、その場その場で流れる音にリアルタイムで集中するしかない(写真を見ておくこと以外は先読みのしようがない)のだ、と改めて思いました。
シンプルなPart 1,2も、これはこれで難しいんですけどね…。しかし多くの人がPart 3,4のほうが間違えやすいと感じるはずです。それは、Part 3,4では英語力だけでない「要領よく情報処理する能力」が試されるからだと思います。
追記:この記事をアップした翌日、なんとPart 3,4だけに特化した公式問題集が発売されたようです!まだ現物を確認してはいないのですが「Part 3・Part 4が途中からわからなくなる…」とお悩みの方に特におすすめの教材とのことなので、ご紹介まで。皆さんつまずくポイントは一緒なのかもしれませんね。
『公式TOEIC® Listening & Reading Part 3&4 音声速解』
10年前より大変になった?Part 1~4
ここでTOEIC®のリスニング全体、Part 1~4の問題数と形式をおさらいしておきましょう。公式サイトによればリスニングセクション(約45分・100問)の内訳は下記のとおりです。
Part 1 写真描写問題 6問
1枚の写真について4つの短い説明文が一度だけ放送される。説明文は印刷されていない。
Part 2 応答問題 25問
1つの質問または文章とそれに対する3つの答えがそれぞれ1度だけ放送される。印刷はされていない。
Part 3 会話問題 39問
2人または3人の人物による会話が1度だけ放送される。印刷はされていない。会話を聞いて問題用紙に印刷された設問(設問は放送される)と回答を読み、4つの答えの中から最も適当なものを選び解答用紙にマークする。会話の中で聞いたことと、問題用紙に印刷された図などで見た情報を関連付けて回答する設問もある。各会話には設問が3問ずつある。
Part 4 説明文問題 30問
アナウンスやナレーションのようなミニトークが1度だけ放送される。印刷はされていない。各トークを聞いて問題用紙に印刷された設問(設問は放送される)と回答を読み、4つの答えの中から最も適当なものを選び解答用紙にマークする。トークの中で聞いたことと、問題用紙に印刷された図などで見た情報を関連付けて回答する設問もある。各トークには設問が3問ずつある。
昔はこんなに重たくなかった気がする…と思って10年前の『TOEIC®新公式問題集 Vol.6』を調べてみたら驚きの事実が判明しました。2014年時点ではPart 1から4の配分が 「10問、30問、30問、30問」だったのです。
シンプルなPart 1,2を削ってPart 3を9問も増量するとは、なんと意地悪なTOEIC®よ…。
しかし嘆いても仕方ありません。この記事を読んでくれた皆さんは、先ほどのテクニックでPart 3そしてPart 4を乗りきって、むしろ得点源に変えてくださいね!
聞き取りハードルの高すぎる固有名詞は受け流せ!
このほか、リスニング全体で(あるいはリーディングも含めて)スコアを底上げできるTOEIC®慣れのコツとして「固有名詞や地名の割り切り処理」があります。
公式問題集の解答・解説を見ていると、“和訳の中なのに訳されずアルファベットのまま書かれている単語”がありますよね? 固有名詞・地名というのはそれらのこと! 人名、会社名、商品名など…現時点で最新の公式問題集11のリスニング音声スクリプト等から例を探すと、以下のような感じです。
Abdel、Amina Haddad 人名。中東系でしょうか。
Clayton (これは実在する)地名。
Sung-Hee、Sahng-Hwan、Xiao-Ming Hu、Guo Tzeng 韓国系・中国系も毎回出ます!
Michiko 日系人・日本人名も定番です。
そのほかJoe Radovich、Amelie Ziff、Malik、Roberto、Artem、Pauline、Marcus Angelo、Claudette Lymer、Farida、Sarai、Ivan Pavlovなどなど…。私の感覚では、韓国系・中国系・ヒスパニックあるいは中南米系・ヨーロッパ系…などを見かける印象です。
💡 早川Jay幸治先生のアドバイス:
インドの人名も多く登場します。
頭の中にクエスチョンマークを点灯させつつも、「なんだか聞き取れないけど…、アブデル?(クレイトン? シャオミン?)…今のは固有名詞に違いない!」と瞬時に割り切り処理しましょう。990点満点の人でもネイティブスピーカーでも、きっと聞き取れない固有名詞はあります。固有名詞にとらわれて前段を度忘れしたり、後の音声を聞き逃したりしては損するだけです。
解答にかかわる等の理由で一時的に覚えておく必要がある場面もありますが、それも次の3問セットが始まったら忘れてしまってOKです。
地名については、アメリカ・イギリス等、英単語っぽいつづりのものが多い印象でしたね。ちなみにリーディングでは、もう少し凝った国や地名も出ます。
💡 早川Jay幸治先生のアドバイス:
Part 7では、メールアドレスやホームページのURLを見ると、.jpや.com、.com.au(オーストラリア)や .za(南アフリカ)など、様々なドメインが登場します。ただ、どの国かわからなくても解答には影響しないので無視してOKです。
2024年9月に私が受けた実際の試験では、Part 7の旅行先のホテルのサイトやメールの文中にUruguay(ウルグアイ)という国名が出てきました。とっさに緊張しましたが「これは訳せなくて大丈夫!」と淡々と解答し、そこに関してはたぶん正解できました。
Part 3,4は英語力だけでなく要領よく情報処理する能力も試されるので、多くの受験者が本試験中に「後半ぜんぜん聞き取れなかった」「今回のリスニング難しすぎない?」など、複雑な気持ちを抱えながらPart 4を終えていると思います。
でもリスニングとリーディングの間に休憩時間はありません。ここで言えることはただひとつ、「過ぎたことは忘れて、さっさとリーディングを解き始めた者が勝つ!」です。
TOEIC®対策ならKIRIHARA Online Academy!
本記事では、TOEIC®に役立つPart 3,4およびリスニング全体の攻略法について分析してみました。リスニングが苦手な方も、あるいは得意なのに点数が伸びないという方もぜひ一歩一歩チャレンジしてみてください。
TOEIC®の勉強をしたいけど何から始めていいのかわからない、勉強のモチベーションが続かないという方は、KIRIHARA Online Academyにお任せください。
KIRIHARA Online Academyでは、2か月間でスコアを上げる短期集中のTOEIC®対策コースを2つご用意しております。
- TOEIC®が初めての方向け 500~600点コース
- スコアアップを目指す方向け730点コース
桐原書店の教材を利用した自宅学習と、日本人のTOEIC®対策講師とのマンツーマンのオンラインレッスンで学習をします。
レッスンは全てオンラインで行われますので通学の必要はございません。
忙しい方でも安心して受講していただけます。
KIRIHARA Online AcademyはTOEIC®スクールと比較して、圧倒的に安価な価格帯でTOEIC®講座を提供しております。ぜひ他社と比較してみてください。
無料体験レッスンを実施中ですので、お気軽にお試しください。
忙しいアナタに
最短距離のTOEIC対策を提供します!
- やることが決まっているから迷わない
- 講師と一緒だから三日坊主にならない
- 2ヶ月間だから無理なく続けられる
学校の教科書でもおなじみ!「桐原書店」が開発したKIRIHARA Online Academyをぜひお試しください。